失敗しないRPAの全社展開方法

2021.12.20

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RPAというキーワードが日本中を駆け巡り、DXの手始めに、RPAで自動化という会社様も多いのではないでしょうか。まずは1ライセンス購入しRPAによる自動化を試みてみようという会社様をお見受けします。一方ある程度自部門での自動化はで実現できたが、全社展開となるとハードルが高く、思うように、全社展開が進んでいない会社様も多くいらっしゃいます。今回のコラムでは失敗しないRPA全社展開方法について解説します。

非IT部門でのRPA全社展開方法

ステップ1
非IT部門つまり、ITに関する深い知見がない部門の方がRPAを全社展開するためのポイントを解説します。

①IT部門を巻き込む
今後全社展開を進めるうえで、最初のRPA選びは非常に重要となります。最初に選んだものを後から変更するのは大変な労力とコストがかかります。自社に合ったRPAをITの知見を持った方の意見を聞きながら選定していく必要があります。決して『安いから』、『有名だから』といった安易な選択をしないように注意が必要です。

②RPAツールの選定
RPAツールには様々なものがあり、シナリオ作成面では難しい一方、細かなチューニングまでできるものや止まりにくいもの、簡単に作成でき、非IT部門の方でもスムーズにシナリオ作成できるものなど多種多様です。また1ライセンスで複数名利用できるもの、1ライセンスでは1名しか利用できないものなど、ライセンス体系にもRPAツールにより違いがあります。今後どのような開発体制、運用体制にしていくかをあらかじめ検討し、自社に合ったものを選択してください。そのためにはITに知見の深い方の意見が重要となります。

③開発/運用者は誰か
非IT部門でシナリオ作成し、日々の運用を行うのか、またはIT部門にシナリオ作成・運用を任せるかについてもステップ1の段階で明確にし、方向性を決める必要があります。それにより選ぶRPAツールも変わってきます。
IT部が開発/運用を行うと決める場合は、『IT部門でのRPA全社展開方法』を参照ください。

④スモールサクセス
まずは最小限のRPAライセンスを購入し、自動化にチャレンジしてみましょう。目標を設けて達成しRPA導入効果について社内で承認/理解を得る必要があります。

⑤役員クラスの旗振り役
RPA導入効果について、役員クラスの方の承認/理解を得る必要があります。またその役員の方には今後のRPA全社展開に向けての旗振り役として動いていただけるように依頼する必要があります。

ステップ2
いよいよ全社展開に向けての準備となります。

①ルールの整備
今後の全社展開に向けて、様々な社員がシナリオ作成をする可能性を考えルールを整備していく必要があります。不正なロボットの作成の規制はもちろんのこと、意図しないセキュリティ事故が起きてしまわないようにあらかじめIT部門の方の知見聞きながらルール作りをすることが必要になります。

②旗振り役役員からの全社周知
これまでの成功体験と今後のRPAを活用した業務自動化のロードマップを旗振り役の役員から全社周知いただきます。そして社内全体で進めていく機運の醸成を図ります。

ステップ3
全社展開をいよいよ進めていきます。

①各部署での作成/運用担当者の選出
よくある失敗事例ですが、『言い出しっぺだから』『手が空いてそうだから』『ITが好きそうだから』こういった理由で、なんとなく開発/運用者を選定すると不平不満が出て失敗する可能性があります。また取り組みをきちんと評価する仕組みを作らないと、『やるだけ損』といった誤解を与え、シナリオ作成が進みません。

②勉強会の開催/相談窓口の設置
各部門で開発/運用担当者として選任された方に向けて勉強会の開催をします。また相談窓口を設け、シナリオ作成中の不明点を解決できる体制を整えます。

③発表会の開催
各部署持ち回りで、作成したRPAシナリオと効果を一週間や一カ月毎に発表の機会を設けます。このような取り組みをすることで、作成担当者の励みとなり、ますますシナリオ作成が進みます。また、作成したシナリオは共有することで、他部門でもそのまま利用できるケースもありさらに効率を上げることとなります。

IT部門でのRPA全社展開方法

IT部が導入/作成/運用まですべて行う場合、IT製品のプロフェッショナルの為多くは語りませんが以下ポイントのみ記載します。

①IT部門での作成の進め方
RPAのシナリオ作成をする際は、通常のシステム開発同様に、『要件定義、設計書作成、開発、テスト、リリース判定』と進められるかと思いますが、利用部門の方々の承認を各ステップで取りながら進めていただくことをお勧めします。
そうしないと出来上がった後に、利用部門との間に認識の齟齬が発生し、せっかく作ったのに利用されないということに陥りかねません。

②IT部門が作成を行うデメリット
昨今IT部門のリソースが潤沢とはあまり聞きません。そのためシナリオ作成のスピードが遅く利用部門としては、『いつまでたっても順番が回ってこない』『ヒアリングから相当時間が経過したがまだ作ってもらっていない』等、不満が発生する可能性があります。

まとめ

非IT部門、IT部門どちらがRPA全社展開を進めるにしても簡単な話ではありません。同意を得ないまま全社展開だけを押し付けても効果は得られませんし、シナリオ作成自体も進みません。一つ一つのステップを理解し着実に歩みを進めRPA全社展開を是非成功させてください。

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アイコン_飯沢
RPAで困っている人を助けたい!

2児の父
出身地:長野県
趣味:料理
好きなもの:レモンサワー、ハイボール

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