どんなシステムなら自動化できる?「RPAの仕組み」を徹底解説

2022.1.24

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RPAツールの提案をしていると、お客様から「このシステムはRPAで操作できますか?」という質問をよくいただきます。RPAを実際に操作した経験があったり、画面を見たことがある方であれば、なんとなく想像がつきやすいものですが、RPAを見たことも操作したこともないという方にとっては、自社で利用しているシステムが自動化できるかどうかを想像するのは難しいものです。
しかし、ある程度RPAツールで業務を自動化する仕組みを理解していると、どのようなことができるのかが具体的に見えてくるようになります。
そこで、本コラムでは、RPAツールが業務を自動化する仕組みを初心者の方でもわかりやすいように解説します。

RPAツールでの業務自動化の仕組み

RPAツールが業務自動化のためのツールであることは多くの方がご存知でしょう。一方でどのような仕組みで自動化できるのかについては、実際に動きを見たり、操作をしてみないとわかりません。まずは、RPAツールを見たことがない方でもわかりやすいよう、業務自動化シナリオの考え方について解説します。

RPAツールは導入さえすれば勝手に業務を自動化してくれるのかというと、そうではありません。業務を自動化するためにはRPAで自動化したい業務の操作手順、いわゆる業務自動化シナリオを作成する必要があるのです。このシナリオはRPA自身が自動で作成するのではなく、人間がRPAを使って作成する必要があります。RPAはこの作成されたシナリオを実行することで、人間の代わりにPCを操作し、業務を自動化します。つまり、RPAの機能は業務自動化シナリオを作成する機能と、その自動化シナリオを実行する機能の大きく2つということになります。

業務自動化シナリオの作成方法

RPAツールはどのようなツールであっても、自動化シナリオを作成しなければ、業務を自動化することはできません。市場には様々な種類のRPAツールがありますが、製品による違いが特に大きいのが、自動化シナリオの作成方法です。自動化シナリオの作成は、方法によって難易度やシナリオ実行時の安定性などが異なってきます。今回は自動化シナリオの作成方法の中でも主要な3種類とそれらの特徴について解説します。

1.画像認識
画像認識は、操作対象の画像をRPAに覚えさせ、登録画像と実際の画面上の画像のマッチングを使って操作をさせる方法です。例えば、「特定のアイコンをダブルクリックする」という操作の場合、まず、その特定のアイコンの画像をRPAに登録します。そして実行時に、事前に登録したアイコンの画像と実際の画面上のアイコンの画像が一致したとき、アイコンに対してダブルクリックを行うというイメージです。

【コラム】自動化の仕組み①

画像認識のメリットとして、実際に人間が作業を行うのと同じような感覚でシナリオを作成することができるため、感覚的でわかりやすく、誰でも簡単にシナリオを作成できるという点です。また、画像のマッチングの仕組みを利用することから、操作対象の位置がずれても問題なく実行されるため、安定稼働が実現できます。加えて、画面上に表示されているものであれば、基本的にすべて操作対象とすることができるため、社内独自のアプリケーションなどであっても操作できるといった柔軟性があります。
一方で、画像登録時とシナリオ実行時に画像が異なると実行できなくなってしまうため、拡大縮小率やディスプレイ解像度などを画像登録時とシナリオ実行時で同じにするなど、一定の対策をする必要があります。

2.座標登録
座標登録は、画面上のどの位置に操作対象があるかをもとに操作を行う方法です。例えば、クリックしたいアイコンのある座標を事前に登録し、実行時には登録された座標の位置をクリックするというイメージです。人間の操作画面を録画してシナリオを作成するようなRPAツールでは、この仕組みを利用していることが多くあります。

【コラム】自動化の仕組み②

座標登録のメリットとして、画像認識と同様、感覚的に簡単にシナリオを作成できるという点があります。一方で、その特性ゆえのデメリットもあります。それは安定性に欠けるという点です。座標のみで操作対象を判断するため、本来操作したい対象がその座標になかったとしても、関係なく操作してしまうことがあります。間違った対象をクリックし、予期せぬウィンドウを立ち上げてしまったり、何もない箇所をクリックしロボットが止まってしまうといったことが起こりうるため、注意が必要です。

3.オブジェクト認識
オブジェクト認識とは、操作したいアプリケーションやWEBページなどの構造を解析して、その情報をもとに対象を操作する方法です。例えば、WEBページ上の特定のデータを取得したい、という場合、RPAはWEBページの構造の解析を行い、その情報をもとにデータを取得します。

オブジェクト認識のメリットとして、画像や座標の変更にも対応できるため、動作が安定するという点があります。特に、画像認識や座標登録では扱いにくいExcelの操作や、画像の変更が多いWEBページの操作に向いています
一方で、RPAツールの種類によっては、ITに関する知識やスキルが必要になってくる場合があります。どのツールであってもオブジェクト認識を避けてシナリオを作成するのは難しいため、トライアルを通して、シナリオ作成にどの程度の知識やスキルが必要になるかを確認しておくことをお勧めします。
例えば、当社のRPAツール「EzAvater」の場合は、オブジェクト認識を意識しなくても使いこなせる、わかりやすい操作メニューやシナリオの作成方法など、初心者の方でも扱いやすい工夫をしています。

まとめ

本コラムでは、3つの主要なRPAツールでの自動化の仕組みを紹介しました。それぞれにメリット・デメリットがあるため、場面によって使い分けたり、いくつかの方法を組み合わせるなどの工夫が必要です。また、あるひとつの方法を試して、うまく操作ができなかったときも、他の方法を使うことで解決することもあります。自社で利用しているシステムがうまく自動化できるか不安な方も、一度トライアルで操作を試してみてはいかがでしょうか。

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アイコン_齊藤
ペンネーム りっぴ

大学卒業後、新卒でテリロジーに入社。EzAvaterの営業を担当。
出身地:神奈川県大和市
趣味:ピアノ、ゲーム
好きなゲーム:ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド、GHOST OF TSUSHIMA など

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