初心者のためのRPA導入後の失敗を防ぐ3つのコツ
RPAは導入して終わりではなく、導入後に成果を出すことが重要です。本コラムでは、導入を検討する段階では気が付きにくい、導入後の失敗の原因とそれを防ぐためのコツを解説します。
導入後の失敗の3大原因
RPA導入後の失敗は様々なケースがありますが、多くの場合以下の共通点があります。
・担当者がやみくもに業務自動化シナリオを作ってしまい、管理できなくなる
・不明な点をわからないまま放置し、使いこなせずに成果が出ないまま解約
・RPA担当者が1人でシナリオ作成から管理まで行い、担当者に大きな負担がかかる
このような失敗は、それぞれ適切な対策を行うことであらかじめ防ぐことができます。それぞれの対策方法について、詳しく解説します。
やみくもに業務自動化シナリオを作らない
RPAを導入したら、まずはシナリオを多く作成し、増やしていくことを考える方も多いのではないでしょうか。導入の成果を出すためには、シナリオを増やしていくことは確かに重要なポイントです。しかし、この段階で失敗を防ぐためには、「やみくもに」シナリオを作成しないことが大切です。
やみくもにシナリオの作成を行うと、どのような問題が発生するのでしょうか。例えば、以下のような問題が想定できます。
・RPAで扱いやすくするためにExcelのネーミングルールを変えたが、シナリオ作成者本人しかそのことを知らず、担当者が変わったときに引き継げない
・シナリオのネーミングルールを決めておらず、どのシナリオが最新版かわからない
・以前使用していたシステムを自動化するシナリオがあるが、作成者が不明なため、削除できない
このような問題を放置すると、担当者の引き継ぎやシナリオの管理が煩雑になるだけでなく、野良ロボット*が発生し、正しいデータが書き換えられたり、システムに負荷がかかるといったリスク発生の原因にもなります。
*管理者や作成者が不明で、どのような目的で作成したかわからないロボット
こういった問題を防ぐためには、いきなりシナリオを増やすのではなく、あらかじめ運用ルールを定めておくことが重要です。シナリオファイルのネーミングルールをあらかじめ定めておき、最新のファイル以外はリネームをしたり、削除するなど、常に最新のシナリオが分かるようにしておく、シナリオ作成に伴って変更したルールは管理表にまとめる、といった対策をしておきましょう。
わからないまま放置しない
特にはじめてのRPAの導入やIT部門以外での導入では、シナリオ作成をしていく中で、不明な点が出てくることもあります。そこで、わからない箇所をそのまま放置してしまうと、ツールを使いこなせず、失敗の原因になります。このような失敗を防ぐために意識するべきことは以下の3つです。
・わからないことはネットやサポートサイトを活用して自分で調べる
・メーカや購入先への問い合わせを躊躇しない
・業務自動化を自分の役割として取り組む
ITにあまり詳しくない、という理由で初めから使いこなすことを諦める必要はありませんが、少なくとも、わからないことを解決しようという姿勢が重要です。
担当者1人で完結しない
RPA導入後、RPAの担当者が1人でシナリオ作成から運用、管理まで行うというケースがあります。担当者は専任ではなく、他業務との兼任であることも多く、より担当者に大きな負担がかかります。このような場合、担当者1人のリソースでは、作成できるシナリオの数にも限界があり、社内での展開が大きくならず、フェードアウトしてしまうことがあります。
このような問題を防ぐために、あらかじめ担当者とそれ以外の人の役割分担をしておく、部門ごとに担当者を決める、といった対策があります。あらかじめ担当者とそれ以外の人の役割分担をしておく、については、例えばシナリオ作成は担当者以外が行い、担当者はアドバイスや管理の役割を担う、といったように役割を明確化しておくことで、担当者に無理な負担がかからない運用を実現できます。また、部門ごとに担当者を決めることによって、システム部門に余計な負担がかかるといったことを防ぐことができます。
まとめ
今回、導入後の失敗の原因とそれを防ぐコツを3つ解説しました。導入後の失敗を防ぐ対策は導入初期に行うことでより大きな効果が見込めます。これから本格的にRPAの運用をする際に参考になれば幸いです。
ペンネーム りっぴ
EzAvaterの営業・マーケティングを担当。
出身地:神奈川県大和市
趣味:ピアノ、ゲーム
好きなゲーム:ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド、GHOST OF TSUSHIMA など