経理部・財務部でのRPA活用シーン
会計ソフトやネットバンキングを使用する経理・財務部門では、正確性や期日を厳守しなければならない業務が多く存在します。また、定型業務も多いとされています。そのような部門でのRPA導入は非常に有効です。
本コラムでは、経理・財務部門でのRPA活用についてご紹介します。
どんな会計ソフトがRPAと連携できるの?
経理・財務部門で使用される会計ソフトは、社内のPCやサーバにインストールするオンプレミス型からクラウドサービスまで多岐にわたります。そのため、使用している会計ソフトに適したRPAツールを選択する必要があります。
例えば、社内のPCにインストールされている会計ソフトであれば、クラウド型のRPAツールより、会計ソフトと同じように社内のPCにインストールするデスクトップ型のRPAツールが適しているといえます。クラウドサービスの会計ソフトであれば、ブラウザ操作が使いやすいRPAツールを選択すると良いでしょう。
また、会計ソフトの画面遷移のスピードにあわせてRPAが動いてくれるか、正確に必要な操作を実行できるかなど、トライアル期間中に会計ソフトとの連携を試すことは必須です。
当社が提供するEzAvaterは以下の会計ソフトと連携実績があります。
・OBIC 7
・PCA会計
・勘定奉行
・弥生会計
・かんたん!法人会計
・SAP Business One
・Oracle E-Business Suite
・JDL IBEX
・Freee
・MFクラウド会計
自動化対象業務例
経理・財務部門の業務の一例を紹介します。発注や入金のような業務は一般企業に限らず医療法人や学校法人など、どんな法人でも発生する業務です。そのため、効果の大小はあるとはいえ、どのような法人であっても自動化できる可能性があるといえます。
次からは自動化対象業務について、どのように自動化しているのか詳しく事例を解説します。
買掛金支払業務
ここでは買掛金の支払い業務を自動化する例をみていきましょう。RPAの動きは、ワークフローなどの基幹システムに登録されている買掛金のデータを抽出するところから始まり、大きく5つのステップに分けています。
※以下の例の前提条件として、基幹システムから買掛金、支払先情報、支払日が1つのデータとしてダウンロードできることとします。
この前提と異なる場合でも、買掛金支払業務の自動化ができるケースは多く存在するためお気軽にご相談ください。
①基幹システムにログイン
毎月支払日が決まっているようであれば、業務自動化シナリオ自体をスケジュール登録すると良いでしょう。決まった日時になるとシナリオが動き出し、IDやパスワードを設定した基幹システムへ自動ログインすることができます。
②指定の条件で買掛金データを抽出
基幹システムにログインできたら、次は支払いの対象となる買掛金リストを作成します。例えば、毎月5日の支払いの一覧や支払先一覧など、普段の運用にあわせたリストの抽出をすると良いでしょう。
③入力するデータをRPAに取り込む
売掛金のデータをダウンロードしたら、支払いに使用する情報(入力する情報)を、RPAに取り込ませます。ここで読み込んだ複数の買掛金のデータを、繰り返し入力を行うループ処理を利用し、ひとつひとつネットバンキングから支払い処理を行います。
④ネットバンキングにログイン
ネットバンキングのログインもRPAで行うことができます。注意すべきはパスワードの管理です。ネットバンキングのように機密性の高いシステムへRPAを使用してログインする場合、パスワードの入力は入力した文字がわからないようにマスクを掛け、暗号化して保存がすることができるか、よく確認しましょう。
⑤支払情報を入力
ネットバンキングにログインできたら、支払い情報を入力していきます。口座番号や入金額を入力する箇所を指定し、ひとつひとつ入力する項目は、、③入力するデータをRPAに取り込む、でRPAに取り込んだデータを使用します。
経理・財務部門でRPAを利用するメリット
RPA導入のメリットは、生産性の向上と耳にすることが多いのではないでしょうか。経理部や財務部でRPAを導入した場合も生産性の向上が見込めます。
経理・財務部門では、金銭のやり取りや管理業務のため、1つの確認漏れや小さなミスの会社へ与える影響が非常に大きなものとなります。そのため、実業務を担当する方は日頃から大きなストレスを抱えているといえます。
RPAの導入効果として挙げられる「ストレスの軽減」は、まさに経理部・財務部で発揮されるメリットの1つでしょう。
「人為的なミスの抑止」も大きなメリットといえます。システムやExcelのデータをコピーして他のシステムに張り付けする際に、一行ずれてしまった・・・最後の一文字コピーできていなかった・・・というミスは、誰しもが一度は経験しているのではないでしょうか。
RPAであれば正確に決められた業務を実行するためミスを防ぐだけではなく、些細なミスによる手戻りを無くすことにもつながるため業務効率も改善します。
まとめ
経理・財務部門では、会計ソフトやネットバンキングを使用した高い正確性を求められる業務が多く存在します。そのなかでも、期日が決まっていたり業務フローが明確な、定常業務や定型業務といわれる業務が自動化に適しているといわれます。
今回取り上げた事例の他にもさまざまな活用事例がありますので、気になる方は「活用事例希望」と、お気軽にお問合せください。
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ペンネーム あゆみさん
仙台市出身
ITソリューションを提供するマルチベンダーで営業・マーケティングを経験し、2019年にテリロジーへジョイン。
現在はRPAツールのマーケティングを中心に活動中。
趣味は温泉旅行だが、若干潔癖症のため大浴場は苦手。