「集中管理」って本当に必要?RPA運用における集中管理のメリット

2021.12.6

「集中管理」って本当に必要?RPA運用における集中管理のメリットのサムネイル

すでにRPAツールを導入されている方、もしくは、これからRPAツールの導入を検討している方は、RPAを運用するにあたって「集中管理」について考えたことはありますか?

RPA運用というと真っ先に思い浮かぶのは、自動化シナリオの作成、という方も多く、集中管理については特に考えたことがなかった、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。本コラムでは、検討段階や運用初期段階で見逃されがちなRPA運用における集中管理について、その必要性、メリットを解説します。

RPAの運用とは

RPAの集中管理について解説する前に、前提としてRPAの運用について触れていきます。

RPAツールは、業務の自動化ができる便利なツールです。プログラミングの知識がなくとも自動化シナリオが作成できる手軽さもあり、すでにRPAツールを導入済みの企業も、これからの導入を検討する企業も増えています。一見、ツールを導入し、自動化シナリオを作成さえすればうまくいくように考えがちですが、実際には、導入後も継続的に運用をしていく必要があります。
複数の部門で利用する場合は、誰が自動化シナリオを作成するのか、作成したシナリオの管理はどのような方法で誰が行うのか、エラーが起きたときやトラブル時はどのような手順で誰が対処するのか、など、導入した後にも検討すべき事項は多くあります。運用体制や運用ルールを定めずに進めてしまうと、RPAの効果が十分に発揮できず、解約となってしまうケースもあります。

RPA運用になぜ集中管理が必要か

集中管理も、RPAの運用を継続していくにあたって重要な要素の一つです。集中管理ができないとどのような課題が生じるのでしょうか。

課題① ブラックボックス化による野良ロボットの発生
複数部門または複数人で自動化シナリオを作成し、運用する場合、誰がどのような目的で作成したかわからない、いわゆる「野良ロボット」が発生する可能性があります。こうした管理者や作成者が不明の野良ロボットを放置してしまうと、正しいデータが書き換えられる、システムに負荷がかかるといった問題が起こる可能性があります。また、業務に関係のない不正な動きをするロボットの発生といった弊害も考えられます。
こうした弊害に対処するためには、自動化シナリオを作成する以上の手間や時間がかかる可能性もあるため、自動化シナリオの集中管理を行い、各シナリオの管理者や作成の目的などを明確にしておく必要があります。

課題② セキュリティホールの発生
RPAツールのようなソフトウェアの場合、定期的にバージョンアップが行われるのが通常です。バージョンアップには機能追加以外にも、新たなセキュリティ対策などが含まれていることもあります。利用者それぞれが別のバージョンを利用していると、互換性やサポートの問題だけではなく、古いバージョンで利用されているソフトウェアがセキュリティホールとなって攻撃対象になってしまうこともあります。
攻撃を受けた場合の損失は計り知れません。いざというときのためにもソフトウェアのバージョンを最新に保っておくことが重要ですが、個人個人で運用している場合、更新漏れが出てくることもあります。集中管理を行い、すべてのユーザが最新のバージョンを利用できるようにする必要があります。

課題③ 障害発生時の対応の遅れ
システムの仕様の変更などにより、今まで問題なく稼働していた自動化シナリオが突然止まってしまうことがあります。このような場合、管理者がいないとそれぞれの業務優先になって、誰も自動化シナリオを修正することなく、放置されてしまう可能性もあります。また、個別で運用している場合、本人がエラー時の通知に気付けなければ、自動化していた業務が停止してしまう恐れもあります。

課題④ 管理の煩雑化による非効率的な運用
スケジュール実行を行う場合、それぞれが勝手にスケジュール設定をしてしまうと、煩雑化する恐れがあります。最悪の場合、スケジュールがうまく組めず、自動化シナリオが止まってしまうこともあり、業務遂行に支障が出ることもあるでしょう。また、一元的にスケジュールの管理を行わないと、効率的な運用は難しくなります。

弊害発生を防ぐための集中管理の方法

ここまで集中管理の必要性について解説してきましたが、実際に集中管理を行うにはどのようにすればよいのでしょうか。

RPAツールを集中管理するには、RPAツールを導入し、さらに専用の管理ツールを導入する方法があります。専用の管理ツールを導入する場合は、ライセンス費用とは別途料金がかかります。また、すべてのRPAツールに専用の管理ツールが用意されているわけではないため、RPAツールを比較する際に、専用の管理ツールの有無を確認しておくのもよいでしょう。
注意が必要なのは、運用に最低限必要な機能が専用の管理ツールを導入しないと利用できないケースです。例えば、スケジュール実行やエラー発生時の通知機能などが管理ツールを導入しないと使えない場合もあるため、通常のライセンスに標準で実装されている機能と、管理ツールに実装されている機能をよく確認しておくことも重要です。

当社製品の「EzAvater」の場合、専用の管理ツールとして「管理サーバー」をご用意しています。具体的には以下のような機能があります。

・複数端末の一元管理…各端末のログ情報の収集、各端末のライセンス種別・期間の確認
・自動化シナリオの一元管理…総シナリオ数やシナリオの稼働状況の把握
・ガバナンス強化…自動化シナリオの実行状況の監視を行い野良ロボットの発生を対策

スケジュール実行やエラー通知、エラー時の処理などは、管理サーバーを導入することなく利用可能です。

まとめ

これまで集中管理について考えてこなかった、という方にも集中管理の必要性とメリットをご理解いただけたのではないでしょうか。RPAの運用方法を検討する際には、集中管理についても検討してみてはいかがでしょうか。

●無償トライアルをご希望の方はこちら●

アイコン_齊藤
ペンネーム りっぴ

大学卒業後、新卒でテリロジーに入社。EzAvaterの営業を担当。
出身地:神奈川県大和市
趣味:ピアノ、ゲーム
好きなゲーム:ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド、GHOST OF TSUSHIMA など

関連する記事はこちら

page top