【セミナー講演レポート】病院DXがもたらす劇的変化――RPAと多言語通訳で打破する医療現場の人手不足

今回のコラムでは、2025年9月9日に開催した『【医療現場の生産性を劇的に向上!】人手不足と多言語対応の二大課題解決セミナー』の内容をレポートします。
本セミナーは、多くの病院が直面する「深刻な人手不足」と「待ったなしの国際化」という2つの問題について、具体的な病院での取り組み事例を紹介しながら解決策をお伝えするという内容で、以下の3部構成で講演しました。
・深刻化する病院の人手不足と業務逼迫の現状
・増加する在留外国人と回復するインバウンド
・院内に潜む「見えないコスト」
公演当日は人手不足や外国人対応に悩む多くの医療機関の方にご参加いただきました。
本コラムではその内容について、具体的にご紹介します。
- 深刻化する病院の人手不足と業務逼迫の現状
- なぜ医療現場のDXに「RPA」が選ばれるのか
- 業務逼迫を打破した現場主導のRPA活用事例
- 加速する「医療の国際化」と現場のコミュニケーション障壁
- コストと属人化を解消する映像通訳ソリューション
- まとめ
深刻化する病院の人手不足と業務逼迫の現状
セミナーでは、はじめに岐路に立つ現在の病院経営について、データを元に紹介しました。
具体的には、2024年4月からの医師の時間外労働上限規制にともない医療現場では労働時間短縮が急務となりましたが、現場が成果を実感できているとは言い難い実情があります。
また、ウォルターズ・クルワー・ヘルスによる『「医師の働き方改革」に関する調査』のデータでは、働き方改革による変化として55.6%が「特に成果はない」と回答し、さらに65%以上が「改革に取り組んでいない」か「自身の働き方に変化がない」としており、現場の閉塞感が浮き彫りになっています。
効率化を伴わない一律の時間削減やタスクシフトは、看護師や医療事務を担う従業員の負担を増大させ、離職や職種間のコミュニケーション不足といった負のスパイラルを招く可能性があります。医療現場はいま、非効率な業務を根本から見直す生産性の向上に向き合う必要があるのです。
なぜ医療現場のDXに「RPA」が選ばれるのか
人手不足と業務逼迫を解決する手段として「病院DX」に注目が集まっています 。最先端のAI活用に期待が寄せられる一方で、医療行為には極めて高い安全性が必要となるため、現段階で、すべてのAIが実用段階という訳ではありません。そのため、現時点で「比較的短期間で効果を実感しやすいツール」として選ばれているのが、定型業務の自動化を得意とするRPAです。セミナーでは、医療現場でRPAが選ばれる理由について紹介しました。
例えば、医療現場には、電子カルテへの入力や書類管理など、手作業で行われている多岐にわたる定型業務が数多く存在します 。これらをRPAで自動化することで、即座に確実な時間削減効果を生み出せます。
中でもRPAツール「EzAvater」はインターネットから隔離された「閉域ネットワーク環境」への完全対応 、遠隔サポートやフローティングライセンスの提供で、病院での運用課題をクリアできるツールとして多くの病院で選ばれています。
業務逼迫を打破した現場主導のRPA活用事例
セミナーでは、RPAの導入で劇的な成果を上げている医療機関の具体例を紹介しました。
1つ目の具体例は岐阜県の松波総合病院です。
松波総合病院では、システム部のリソースが限られる中、現場主導で開発できるRPAとして『EzAvater』を選定し、現在では幅広い部門へ活用が拡大し、39個のシナリオ運用で年間約2,700時間もの業務削減に成功しています。
2つ目の具体例は大阪府の大阪医科薬科大学病院です。
大阪医科薬科大学病院でも年間約737時間の削減を達成し、職員が単調な作業から解放されて本来のコア業務に専念できる環境を整え、職員がより専門性の高い業務へ時間を割ける環境づくりにつながりました。
2つの病院で自動化した業務フローの代表例として以下の4つを紹介しました。
| 業務名 | 業務内容 | 効果 |
| 退院サマリの作成進捗管理 | RPAが未入力カルテを自動検索・特定して担当医へメール通知する仕組みを構築。 | 担当者の精神的負担を大幅に軽減。 |
| 検査結果の確認状況チェック | RPAが定期的にシステムへログインして未確認データを自動リスト化。 | 担当医へ自動通知する体制を確立。 |
| 患者情報のレポート作成 | 薬歴や血液検査値を夜間に自動収集・転記。 | 朝の業務開始時にはレポートが完成している環境を実現。 |
| 保険組合への補助金申請 | 健診システムから取得した団体ごとの予約データと健康保険組合を紐づけ、申請内容リストの作成を自動化。 | RPAが全自動化して手作業によるミスを排除。 |
加速する「医療の国際化」と現場のコミュニケーション障壁
セミナーの後半では、もう一つの大課題である「医療の国際化」について紹介しました。
現在、国内の在留外国人数は370万人を突破し、インバウンド観光客も急速に回復しており、医療機関における外国人患者の対応は日常的なものとなっています。ここで重要なのは、外国人患者の国籍や言語が多国籍化しており、「英語の対応だけでは限界がある」という現実です。
言葉が十分に伝わらない環境での診療は、医療現場に重大なリスクをもたらします 。ある会社が医療機関様に行った英語対応に関するアンケート調査によると、外国人患者を診察したことのある医療従事者の約4割が、語学力不足により診察内容を十分に説明できなかったと回答しているそうです。処方薬の正しい服用方法が伝わらなければ重大な医療事故に発展しかねません。また夜間の救急搬送など、思わぬタイミングでの来院により通常の何倍もの診療時間がかかってしまうことも、ただでさえ人手不足に悩む現場の大きな経営リスクとなっています。
コストと属人化を解消する映像通訳ソリューション
機械翻訳アプリでは専門的な医療ニュアンスが伝わりづらいという課題に対し、セミナーでは24時間365日対応の映像通訳サービス『みえる通訳』を紹介しました。
『みえる通訳』は、タブレット等の画面を通じてリアルタイムでプロの通訳者とビデオ通話ができるシステムです。画面越しに通訳者の「顔」が見えることで患者に大きな安心感を与え、円滑な意思疎通を図ることができます 。日常会話用の「一般通訳」に加え、専門知識を網羅した「医療通訳」をワンタッチで切り替え可能です。英語や中国語など計13言語と手話に対応しており、正確性が求められる医療シーンで真価を発揮します 。
さらにコストパフォーマンスの高さも魅力です。『みえる通訳』は月額40,000円(1端末あたり)の完全定額制を採用しており、多言語スタッフを常時配置する場合と比較して、コストを約7.5分の1に抑えることができます。
『みえる通訳』は全国約40の主要な医療機関で導入され、9割以上の高い満足度を得ています。また通信環境が届かない閉域環境であっても、13言語対応のアプリ版の指さし会話シート(たっち通訳)を無料の補助ツールとして活用できるため、あらゆるシチュエーションで対応できる体制を構築可能です。
まとめ
本セミナーを通じて「業務逼迫の解消」と「多言語対応」という2つの課題が、いずれも医療界全体の「人手不足との向き合い方」という根底のテーマに繋がっているという事実をお話しました。
誰にでもできるパソコン上の定型作業はRPAという「デジタルレイバー(ITの労働力)」に任せ、属人化しやすく24時間対応が困難な多言語コミュニケーションはオンラインを介して外部のプロフェッショナルに委託するといったように、変えられる仕組みは徹底的にデジタルツールに置き換え 、限られた人的リソースを「人間にしかできない医療行為や患者へのケア」へと集中させることこそが、これからの病院経営に求められる本当のDXの姿です。医療の質を維持しながら、職員がやりがいを持って働ける持続可能な医療体制を構築するために、まずは現実的かつ即効性のあるデジタルツールを現場へ取り入れることから、確実な一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
なお、本セミナーは現在もオンデマンドで配信中です。無料でいつでもご視聴いただけます。お気軽にお申込みください。
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また、本セミナーでご紹介したRPAツール『EzAvater』、映像通訳サービス『みえる通訳』についてご関心をお持ちの方は以下のリンクからお気軽にお問い合わせください。
■RPAツール『EzAvater』の詳細はこちら
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ペンネーム:まえだ
出身地:生まれの大阪、育ちの千葉
好きなもの:筋トレ、格闘技、お酒

